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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第23章 咽び泣く~決意~●






バタンッと不機嫌そうにドアを閉めると、そのままリヴァイは窓際に置かれたベッドへ腰を下ろし、黙り込んでしまった。



いつもであれば部屋に入るなり、荒々しい手付きで服を脱がしてくるリヴァイ。

何もせずベッドへ腰掛け、ただうつむいているだけのリヴァイを、サラは不思議そうに見つめた。





古城の中は驚くほど静かだった。



まだ9時前だというのに、先ほどから全く人の気配を感じない。

ここにはエレンとリヴァイの他、特別作戦班の班員であるエルドにグンタ、オルオ、ペトラの4人がいるはずだ。

しかし、古城の中は人の話し声はおろか、足音ひとつ聞こえてこない。



きっと“掃除好き”のリヴァイに小言を言われながら、1日中働かされたのであろう。

彼等にとって“廃墟の大掃除”は、日々の訓練よりも過酷なものだったに違いない。

皆、食事が終わるなり、早々と眠りについたのだろうと、サラは美しく磨き上げられた足元の床を見つめながらそう思った。





「リヴァイ…用が無いのなら、私は帰るよ。」

不機嫌そうに黙りこくるリヴァイへと、サラは穏やかな口調でそう告げる。



本部へと戻ってからも、相変わらずやらなければならない事が山積みだった。

リヴァイの身体へ触れたいという気持ちはあるが、正直、1ヶ月後に控えた壁外調査の事で頭がいっぱいだ。

エレンには“行って帰って来る事”が次回の壁外調査の目的と話したが、そんなわけはない。

本当の目的はまだ、誰に伝える事もなくサラの胸の中だけに留めてある。



今ここを出れば、10時には本部へと戻れるだろう。



「リヴァイ、おやすみ。」

そう言うとサラは、部屋から出ようとリヴァイに背を向けた。



その時だった。



「待てよ。」



ドアノブに手を掛けるサラの後ろ姿に、低く冷たいリヴァイの声が飛んで来た。




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