【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「よく思い出せないんですが、確かに俺は団長と会っているはずなんです…。」
頭を抱え、必死に思い出そうとするエレンが、何だか妙に可愛く思えた。
サラは牢屋の扉へ鍵を掛けると、困り果てた様子のエレンを見つめる。
まさかこんな形で会う事になろうとは…きっとあの時の出会いは、必然だったのかもしれないと、サラは5年前のあの日の光景を思い出していた。
「きっと君の勘違いだ。」
そう言いながら微笑むと、サラは手持ちランプを片手に牢屋を後にした。
ギィと音を立て、エレンがベッドへ潜り込む音を聞きながら、サラは地上へ続く階段を上る。
運命とは何て不思議なものなのだろう。
今日すれ違った見知らぬ人が、数年後、自分の人生を大きく変える人物として目の前に現れるかもしれない。
出会いばかりではなく、別れも同じ事。
出会う運命。別れる運命。
どちらも同じ運命の人なのだろう。
そんな事をぼんやりと考えながら、サラは地下へと続く扉の鍵を掛けた。
ふと、背中に人の視線を感じ、サラは手持ちランプで辺りを照らす。
ぼんやりとした明かりに照らされる廊下。
壁にもたれ、不機嫌そうに腕を組んでいる男。
それは顔をしかめ、苛立つ様子でこちらを見つめるリヴァイであった。
「リヴァイ…2階で休んでいたんじゃなかったのか?」
「お前が来ていると、エルドが知らせてくれた。」
「…そうか。」
サラは持っていた鍵の束をリヴァイへと差し出す。
しかし、そんなサラの腕をリヴァイは強く引き寄せた。
ガシャンッと大きな音を立て、鍵の束が床へ落ちると同時に、リヴァイの力強い腕の力で、サラの身体はきつくきつく抱き締められた。
「リヴァイ…?」
そう問い掛けるサラの耳元で、リヴァイの低く抑揚の無い声がささやく。
「お前は…いつからガキが趣味になったんだ?」
嫉妬深く、強引なリヴァイ。
今夜は兵舎へ帰れそうもないなと、サラは苛立つリヴァイの唇にそっと口づけた。