【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
調査兵団本部を離れる日…女子棟の部屋の中、メラニーは窓際の椅子に腰を下ろし、本を読んでいた。
荷物をまとめ終えた私は、メラニーの後ろ姿へそっと呼び掛ける。
しかし、そんな私の呼び掛けに、メラニーが振り向く事はなかった。
出発の時刻が迫っていた。
私は鞄を持ち、メラニーの背中へ向けて深く礼をする。
「今まで、お世話になりました。」
そう言い残し、部屋を出ようとドアノブへ手をかけた…その時だった。
「…待ちなさいよ。」
突然メラニーに呼び止められ、私は慌てて後ろを振り返る。
私をきつく睨みつけるかのようなメラニーの瞳は、今にもこぼれ落ちてしまいそうな涙でいっぱいになっていた。
「何が“お世話になりました。”だよ。
あんたは…いつも勝手で…ワガママで…。
どれだけ私達に迷惑かけたと思ってるんだよ!!」
メラニーは私へ駆け寄ると、力いっぱい私の身体を抱き締める。
…ごめんなさい、メラニー。
メラニーの身体を、私も力いっぱい抱き締めた。
「離せって言っても離さないからね。
最後くらい、黙って言うこと聞きなさいよ。」
メラニーの腕の中、私は「うん。」と強くうなずいた。
“あんたの顔なんか二度と見たくないから、絶対にここへ帰って来るんじゃないよ。”
あの日のメラニーの言葉はきっと、彼女なりの“調査兵にはなるな。”というメッセージだったのだと思う。