第8章 ゴメンネよりも、ありがとう。
月島side
菅原さんの家のインターホンを鳴らしたら、すぐに山口が出てきた。
ホントに僕らから隠れる気があったのかと疑いたくなるくらいあっさり出てきた山口を、めぐみは躊躇うことなく抱き締めた。
気持ちを確認したばかりでも、山口の存在は、僕からも、めぐみからも、決して取り去ることはできないモノだと、改めて感じた。
…まぁ、今更居なくなられても面倒だけど、、、
泣いてて話にならない誰かさんに慌てた山口に、事情を説明して、なんとかあの家に帰ってきてもらえないかと説得しようとした矢先、すぐ隣で、誰かさんの泣き声が大きくなった。
…安心したのは解ったケド、
ホント、昔からムードのない泣き声。
そんなんじゃ、僕ら以外のオトコは落とせそうにないな。
とか思っていたら、
ほんの一瞬、僕の方を見ためぐみと視線が合った。
…前言撤回。//
そんな顔、他のオトコに見せたら、タダじゃおかないから。/
この無自覚め…//