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霧が晴れたら【ハイキュー 月島蛍】

第8章 ゴメンネよりも、ありがとう。




山口side




めぐみの様子が落ち着くのを待ってから、



俺は、帰り支度と菅原さんや菅原さんのご家族に




「色々と、お世話になりました!」と、素直な感謝の気持ちを伝えた。





「おう!またいつでも遊びに来いよ。我が家はみんな大歓迎だからさ。」





「はいっ!!


本当に、お世話になりました!!!」





菅原さんやお世話になりっぱなしだったおばあちゃん、おじいちゃん、菅原さんの奥さん。




そして、可愛い可愛いちよちゃんと小春ちゃんに別れを告げ、俺はツッキーとめぐみが待つ外へと急いだ。






外へ出ると、黒い外車の運転席に座ったツッキーに「山口、…はやく。」そう言って急かされた。





めぐみの姿が助手席にあったのを見た瞬間、



俺は、あの家を追い出されるのかな?って不安が、頭の中を横切った。




ツッキーとめぐみは……


恋人に、なったはず。




それでもこうして、ふたりは俺を迎えに来てくれたんだ。




……ツッキーなんて、本当は、一番気まずいはずなのに。




平然と運転してる…。





さっき俺にめぐみが抱きついてくれた時だって、何気に眉間にシワが寄ってたし、、、


平気なワケないよな……。





車の窓から見える景色が、




段々とあの家の窓から見える景色と重なり始める。





決めた。





あの家に着いたら、もうあんまり意味のないことかもしれないけれど、俺からめぐみに別れを告げよう。





そして、あの家を出て、





ふたりの幸せを、





……ひとり、遠くから願おう。





この世界で、



たったふたりの、親友の為に。






例え、本心では、ふたりのそばに居たくても、





俺の存在は、きっとこれから先、ふたりの邪魔になる。





ツッキーもめぐみも、きっと俺に遠慮する。





そんなのは、、絶対にイヤだ。




ふたりが俺に遠慮して、また前みたいにギクシャクするなんて、目の前でイチャつかれる方が、まだマシだ。





だって、ツッキーも、めぐみも、ずっと、、あんなに辛そうだったんだ。





言える訳ない。





……俺が、本当は、




あの家で3人で暮らしたいって、思ってるだなんて。


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