第7章 スキということ。
月島side
練習終了間近、体育館の重い扉が開かれた。
入ってきたのは、サッカー部のエースとか女子に騒がれてるチャラそうな2年生。
その先輩は、体育館に入ってきてすぐに、めぐみのもとへと駆け寄ってきた。
「だから明日の9時、蛍の家の前待ち合わせにしようよ?そしたら最初からみられるし。」
「確かに、レア物とか売り切れんの早そうだもんね!」
「その話はあとにしてもらっていいかな…?」
めぐみと山口が明日の予定を立てているところへ、その先輩は無理やり割って入ってきた。
「あっ…はい。」
完全に先輩に萎縮した山口を横目に、めぐみの手を引いて「ちょっとこっちきて。」と、先輩は体育館をあとにした。
あっという間の出来事だった。
……なんだアイツ。
なぜかはわからないけど、僕はなんだかとても嫌な予感がして、思わずふたりのあとを追った。