第7章 スキということ。
月島side
「…ただいま。」
「おかえり〜!」
「…なんで居んの?」
「うちの親が、ふたりとも出張だから。」
「…あっそ。」
めぐみの両親は共働きで、親父さんはパソコン関係の会社に勤めていて、おばさんは大学の教授をしてる。
めぐみの親父さんは、しょっちゅう単身赴任している。
おばさんはそうでもないけれど、時々、学会とかで地方に行くらしく、めぐみ一人にするのは心配だと、ウチにめぐみを預けることがあった。
「私もさっき帰ってきたんだよ。サッカー部の見学に行ってたからさ。」
はっ…?
「なんでよりにも寄って、サッカー部なんて選ぶわけ…?一番ハードそうじゃん。」
確か、入学式のとき、校長が昨年度県大会準決勝とか声高に自慢してた。
「なんでって…、まだ見学だよ?明日は男子バレー部行くし。」
「はっ?ナニ言ってんの?見学期間はもう終わったデショ?」
「だって、まだ男子バレー部とサッカー部で迷ってるって担任に話したら、仮入部期間中に決めればまだ間に合うって言われたんだもん。」
「………あっそ。てか、まだ決まってないなら、最初からそう言ってくれない?」
…気にしてた僕がバカみたいじゃん。
「蛍なんか怒ってる…?どうしたの?」
「…別に怒ってない。」
本当は怒ってるケド、
認めたくない。
だってそんなの、
僕がめぐみを求めてるみたいで、、
悔しいから。