第2章 My♥Father!!

『おかぁ...さん......』



『さぁ百合......行きまs..『おい待てよ......』



『っ藤ヶ谷......』



太輔は形相を変え、百合に伸ばそうとした腕を掴む。



『さっきから聞いていれば、アンタ身勝手過ぎねぇか？
勝手に百合ちゃん置いて自分だけ逃げてよ！
それでどんなに辛い目にあったか分かんのかよ！』



『っなんなのよ貴方は！』



『っ藤ヶ谷落ち着けよ......』



『お前はなんとも思わねぇのかよ！？
お前が百合ちゃんの気持ちを一番知ってるじゃんかよ！』



『っ知っているって......』
(確かに、俺も虐待を受けていたから実
親に裏切られた気持ちは良くわかる......でも俺は、












百合ちゃんの気持ちをちゃんと知っているの？





ただ、同情しているだけじゃないの？)




『っ何を言っているのよ！百合のことを一番よくわかっているのはこの私！
百合の母親なのよ！？
こんな見知らない人より私がよく百合の事を分かっているわ！』




『っ......』




確かに俺は、百合ちゃんと血が繋がっているわけでも



昔からの付き合いってわけでもない......。



ついこないだ知り合ったばかりの赤の他人だ......でも、



俺も百合ちゃんも、親に裏切られたということは同じ......



俺の親は、





















俺のことをこれっぽちも解っていなかった......。



唯一わかってくれたのが、施設長......施設長とは全く赤の他人だった。



でも、今までお世話になって本当のお父さんのように思える......。



今思えば......俺の父親は実の父親じゃなくて施設長だったんだと思う。



施設長に、ここに来て俺は変わることができた......。



きっとあの時のままだったら、今の俺はいない......。



だから百合ちゃんが、今母親のもとに帰ってもまたいつか同じ事が起きる。



もう彼女に、

















辛い思いをして欲しくない......。