第2章 My♥Father!!

『百合の母親が、百合を引き取りたいとやって来ていてな......』



『っ！？』



『もちろん百合は母親のもとに戻りたいとは思わないだろう......
だから断ろうとしたんだが......』



『っ勝手に捨てたくせに、今更何なんだよ......アイツがしっかりしていれば、
百合ちゃんはこんな......』



顔を強ばらせながら拳を握り締める太輔。



『太輔......とにかく百合w..『っ百合！』....っちょ明美さん！』



『......(睨)』
(自分勝手な......)



百合の母親と思われる人物が施設長の後ろから走ってきた。



そして施設長と太輔の間を抜け明美は百合のもとへ走っていった。



それを太輔は鋭い視線で見た。







『百合！』



『ぇ？』



『っ......！』



百合はボールを蹴ろうとしたが、



実親の声に反応し時間が止まったかのように身体の動きを止め目を見開いていた。



『っ百合......』



明美は百合を見るなり涙を目に浮かばせ歩み寄る。



『っ......』



『っちょ百合ちゃん！？』



『......。』



咄嗟に宏光の後ろに隠れ、パーカーの裾を強く握り締めながら震えていた。



『百合......お母さんよ？
今までごめんなさい......貴方をお父さんから守れなくて......』



『っ......』



百合は更に手の力を強めた。



『......。』
(百合ちゃん......)



『でもあの人は警察さんのところにいるからもう大丈夫よ？



......もう一度、

















やり直しましょ？ふたりで......』



明美は百合に手を伸ばした。



『おかぁ...さん......。』