• テキストサイズ

奴隷と暗殺者

第2章 1


「民政の議員が昨夜、泥酔したまま川に落ち、溺死したそうだ!」

早朝から賑わう市場の一角で公示人が大声で一面記事を読み上げていた。
新聞も勿論あるが、識字学を学んでいない物も未だ多く、こうやって新聞に載っている事や議会で決まった事を読み上げる公示人は結構いる。
大きな案件だと議会で決まった公布。
小さいものだと何処の地区で酔っ払いが女性にしつこく付きまとって急所を蹴り上げられて悶絶したまま気を失い、発見されたとかいったゴシップもの。
大小様々な案件を報告する公示人の今日の一面は過激な民政派議員が昨夜、自宅で酒樽を飲み干し酔い冷ましに護衛も付けず道をフラフラ歩いていたら橋から転落し、そのまま溺死してしまったというニュース。
非常に痛ましい事件だが、この議員、以前から横柄な態度と収賄で支持者以外からは煙たがられていた。
議員選挙に悉く勝ち残っていたのは投票支持者の多さだが、その大半、いや殆どの懐には件の議員さんから素敵なボーナスを頂いて見返りに票を集めていたのだろう。
でないとあんなのが票多数で残れるはずもない。

/ 11ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp