第3章 2
「さて、お仕事お仕事っと」
日が昇り、個室から出て隊舎前の運動場で部下達と軽い朝練をして目を覚まし、井戸で顔を洗ってついでに汗を流し、恐らくそこそこ質が良いであろう朝食をみんなで食べ、今日1日のシフトを確認し、私は本部を出発する。
今日の仕事は近隣にある農村二ヶ所の巡察。少し遠いので馬で行く。
2つ目の農村に向かう途中、妙齢の婦人が道端で蹲っていた。部下と警戒しながら近寄ると怪我をしていた為、手持ちの用品で応急処置。自宅は進行方向と同じなので馬に乗せて送る。お礼に野菜を頂いたが職務中なのでと断る。物凄く惜しい。今度立ち寄った時は馳走すると言われた。断らない。
目的地に着いた頃、ちょうど昼時なので農村の方々と共に昼食を食べる。
今日の昼食はベーコンとレタスにマスタードを塗り挟んだサンドイッチとペースト状にした卵に辛味を付けた具材を入れたサンドイッチ。それから農村の方々の厚意でスープを頂いた。美味い。
昼食後、巡察を行う。最近害獣に悩まされているという事で、後日猟師を集い、派遣する事を約束。
畑を囲む柵の一部が害獣に破壊されていた為、補修を手伝い、巡察は終了。
本部に戻る頃には暗くなり始め、提出された他の班の業務報告書に目を通し書類を作成。一時間位で完成し、其れ等を所定の部署へ提出。これで今日の業務は終了。
夕食前に風呂に入る。隊舎は食事も風呂も完備されていて本当に至れり尽くせりだ。
部下達は先に食事を済ませてるので大体夕食は料理番連中と食べる。今日もそうだ。
食後は仲間とトランプで遊ぶ。賭け事はしないがどうも運はあるらしく結構良いカードが来る。
部下の1人が今度昇格試験を受けるらしい。剣術審査の相手が俺だと知って絶望してた。何か申し訳ない。
消灯時刻が近づき各々部屋へと戻る。俺もそろそろ戻るが、当直勤務の様子を見に行こう。
今日の当直勤務は女性3名に男性2名。女性1名は読み物を。男性2名はトランプで時間を潰している。残りの女性2名は何やら恋愛話をしている。
俺が来たのを見ると全員すぐ様起立して敬礼する。部下にはオンオフがしっかり出来るなら問題無いと伝えていたしそう教練してる。問題なさそうだ。
敬礼を解かせて現状を聞き、自室に戻る。
此れが我々『憲兵隊』の1日である。