第6章 もう一つの涙と笑顔
柊がな?と首をかしげる。
「うん。そだね。」
「そうそう。それでいーんだよ。」
「じゃあ、柊。一個約束しない?」
「ん?」
「試合頑張って。でも、調子悪くなったら私にだけでもいいからちゃんと言って。」
「そんなこと?当たり前じゃん。いいよ。約束な。」
「じゃあ、はい。」
すっと小指を差し出す。
「ゆーびきりげんまん嘘ついたら針千本のーます。ゆびきった!」
ちっちゃく歌いながら、小指を繋いで軽く振る。
「私、柊の彼女でマネージャーなんだからね。‥‥頼ってよ。」
小さい声で言ってみる。
返答がなかったから、聞こえなかったかな?って思ったら、
「彼女、こんなに心配させちゃ彼氏失格だなぁー。」
って。
「柊は‥‥‥‥ほんとにいい彼氏だよ。」
「え?最後なんて?」
語尾が恥ずかしくて消えちゃったらニヤニヤして聞いてくる柊。
「な、何でもない!」
もぅ‥‥やっぱり私、この人が大好きだなぁ。