第1章 出逢い
一月も中旬に差し掛かるころ
今日もスーツを着て就職先を探す。
わたしは現在大学4年生。
夏に内定を貰ったものの会社の都合で取り消されてしまい、窮地に立たされている。
もう周りは内定が決まっていて遊びまくっているところをわたしは遊べるはずもなく毎日のように就職先を探しているのだ。
けど、、、この時期にみつけるのは本当に難しい。
就職浪人も覚悟している。
っあ!もう時間がない!
急いで駅に向かって走る。
交差点の横断歩道で、誰かにぶつかり転んでしまった。
「いった~ぃ」
「ちっ前見て歩けよ!」
ぶつかった中年のサラリーマンに舌打ちされ怒鳴られる。
なによ。助けてくれたっていいじゃない…
膝を見るとストッキングが伝線して血がにじんでいた。もぅ…こんなんじゃ面接なんて行けないわよ…
また涙が出てきた。
とそのとき
「大丈夫ですか?」
と、手を差しのべられる。