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GSシリーズ短編集【ときメモGS】

第6章 突撃!桜井家ご訪問!(GS3 桜井兄弟)


そのあと、オフクロとアイツが作った料理を5人で囲んで食べた。

オフクロとアイツがいつの間にか打ち解けてたり、アイツに話し掛けるオヤジの顔が妙にぎこちなかったり。
ルカがオヤジともオフクロとも何もなかったように笑って話すのに、笑みが零れた。

「コウくん?どうかした?」

ルカの隣に座ったアイツが、口元の緩んだ俺に気付いて声を掛ける。

「いーや、なんでもねぇよ」

「変なコウくん」

「コウは素直じゃないんだ」

「るせぇバカルカ。黙って食えオラ」

「はいはい、お兄ちゃん」

「気持ち悪ィんだよ」

ルカが笑って、オヤジとオフクロが笑って、俺も笑って。そんでアイツも笑って。

ベタなホームドラマみたいなこんな風景も、そう悪くはねぇんじゃねぇかと柄にもなく思った。



「いい子だったわねぇ、琉夏の彼女」

「ああ」

ルカとアイツが帰ったあと、テーブルを片付けていたオフクロが不意に口を開いた。
食後のコーヒー傾けていたオヤジがそれに同意してコーヒーを啜る。

たりめぇだ。
この俺が惚れた女なんだ。
最高にいい女に決まってんだろ。

「あの子がいれば、琉夏も安心ね」

「そうだな。なんてったって琉夏と琥一が惚れた女の子だもんな」

「ブッ!」

ソファーでくつろいでいた俺に、とんだとばっちり。
うっかりコーヒーを噴き出しかけた。

「ゲホッ!な、なに言ってやがる!」

口元を拭いながら立ち上がり声を張り上げる。
そんな俺を見て、オヤジはしたり顔でニヤリと口角を持ち上げた。

「なんだ、気付いていないとでも思ったのか」

「ふふ、母さんも知ってたわよ?」

「~~~ッ!」

ちくしょう、オヤジめ。
さっき笑った仕返しのつもりか。

バツの悪くなった俺は口をつぐんでソファーに座り直した。

ダイニングテーブルからはオヤジとオフクロの笑う声が響く。

何だかいたたまれなくなって、見たくもないテレビのボリュームを目一杯上げた。


手の掛かる弟と、妹みたいに思ってたアイツ。
アイツが潤滑油になって、本当の家族になる日もそう遠くねぇんじゃねぇか、なんて。
マジで柄にもねぇことを考えて、緩んだ頬を掴んだクッションで隠した。





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桜井父が思いの外可愛くなった←
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