第1章 ある日の珊瑚礁(GS3 琉夏)
大学のサークルに入ってきた新入生の女の子。ふんわりした雰囲気で、柔らかく笑う可愛い子。
新しい生活に緊張した面持ちのあの子に、話し掛けたのは偶然。
話し掛けられたのが余程嬉しかったのか、あの子はわたしを慕ってくれるようになった。
周りの人にはわたしと似てると、姉妹じゃないかと言われたけど、残念ながらわたしはあんなに可愛くない。
そんなあの子と、わたしと瑛くんと、それからあの子を迎えによく顔を見せていたあの子の彼氏の琉夏くんと。
仲良くなるのに時間は掛からなかった。
4年生になって時間が出来た瑛くんは少しづつ珊瑚礁を再開し始めた。
マスターに頭を下げて営業の主はマスターにしてもらっているけれど、出来る日は瑛くんがずっとカウンターに居る。
わたしも珊瑚礁でのバイトを再開した。
瑛くんはバリスタとしてはまだまだ納得していないらしいけど、高校生のときのように、こうして珊瑚礁に居られるのを、すごく嬉しく思ったり。
仲良くなったあの子たちが新生珊瑚礁に足を運ぶようになるのにも、そんなに時間は掛からなかった。