第2章 動き始めた革命児
2-4.それじゃ、お手を拝借♪
さて、Trickstarのための指導者探しだが、
結局頼りのなずな先輩は見つからなかった。
「うぅん、打倒生徒会はちょっとねぇ……。
アタシ達Knightsだって“立場”ってものがあるし。
応援は、出来ないかもしれないわァ……」
一緒になずな先輩探しをしてくれた嵐くんも、
困ったようにそういった。
この学園の生徒会には逆らえない。
下手な行動は成績にも関わるとなればなおさらだ。
決して嵐くんにも強くお願いできるものではなかった。
「ううん、気にしないで!
むしろ手伝ってくれてありがとうね!」
言ってあたい達は2年生の教室前で別れた。
あれ?
スバルくん達は教室に居ないみたいだ。
ふと、両肩を誰かに叩かれた。
「もしも~し♪」「そこの可愛いお姉さん♪」
振り向くと同じ顔が2つ。
「ドッペルゲンガー!?」
「ちがうよー」「俺達ただの双子だよー」
目を丸くすると、双子たちはにししっと笑った。
悪戯な笑みが可愛い。
「「それじゃ、お手を拝借♪」」
2人はクルクルと入れ替わりながら、あたいの両手を取った。
「それじゃ早速」「出発進行~♪」
「へっ? ええええー!?」
考える間もなく両手を引かれ、アタイは走りだした。
あれっこんなこと昨日もあった気がする!?
光くんとか光くんとか!
「タンマタンマ! どこに連れて行くつもり!?」
「朔間先輩に頼まれたんだよね、アニキ?」
「そんなわけで軽音部部室までご招待~☆」
朔間先輩?
あの自称吸血鬼?
なんで軽音部部室なんだろう?
行き先がわかっているだけ昨日よりはマシだけど、
やっぱり訳がわからない。
アタイを置いて話を進められても困る……!
「「さぁ、ご到着~!」」
軽音部部室の扉を開け、2人は急停止。
ごろりん。
アタイは勢いを殺しきれず、受け身の要領で床を転がった。
勢い任せすぎて滅茶苦茶手荒い。
「もう、何なの!? あんた達誰!?」
「「俺達は2winkの」」
「葵ひなたです♪」「葵ゆうたです♪」
順番にピースのポーズを取る双子。
息はぴったりらしい。
「そして、あちらの先輩が」「大神先輩です!」
2人が指差した先に轡を噛まされ縛られている男子が一人。
「モゴッ、モガモガ!」
うっわぁ、滅茶苦茶暴れてる。
なにがあったんだ……。
