第4章 新しい性地
「もっ、イクっ…。先輩っ、一緒にっ……!」
「俺もダメだっ…うっ、あっん、ああっ!」
ビクビクッ……!
同時に達した私達はベッドへと倒れこむ。
そしてその時、初めて及川先輩の命令の恐ろしさを感じた。
一気に襲ってきた先輩に対する罪悪感と、それに反するほど熱のこもった体。
体は求めてるのに、心が……一切、求めてない。
もしかして及川先輩はこれを知ってて、私を奴隷に?
岩泉先輩は好きだから、心も体も求めている。
及川先輩は…たぶん、求めようと思えば心も求められるんだろうけど……。
初めて会ったばかりで、性欲任せにセックスした後必ず後悔することを及川先輩がわかっていたなら?
その意味はたった一つ。
いかに及川先輩だけを求めているかを思い知らされて、離れられなくすること。
でも、あの人がそこまで考えているとは思えないし、ただ私を奴隷にして楽しんでいるようにしか思えない。
何を企んでいるの……?
わからないけど、これだけの罪悪感の理由に相手が澤村先輩だったからっていうのが間違いのない一つだ。
この人は優しすぎた。
相手思いで同情の思いが強すぎた。
だから、こんなにも申し訳なく感じてる。
「ごめんなさいっ……」
「いいって。俺もごめんな。お前が辛そうな顔するな…泣くな、助けてやるから。……俺はキャプテンだぞ」
迷惑かけたのに優しそうに澤村先輩は笑顔を見せる。
先輩の心強さとあったかさ。
できれば部活でそれを感じられたなら、間違ってもこの人にこんな事はしなかった。