第10章 旅館の夜
シホside
(青城側でお送りするのであらゆるシーンをカットさせていただきます)
夜ご飯をお腹いっぱい食べ終えた私達は、満足がゆくまで屋台でゲームをした。
バレー経験者というズルいスキルを生かして、球投げや輪投げといった投げる系のゲームを次々に制覇していった皆さん。
泣く泣く商品を取られる屋台の人達が可哀想でならなかったけど、その本人達が凄くご満悦そうでまあ何より。
私は潔子さんと普通の人っぽい楽しみ方をしていたから関係ないし。
かなり時間を費やしたり、混浴の事でとか卓球する時間はなかった。
……もともと乗り気じゃなかった先輩達を釣るためだったからいいんだけどね。
「おやすみ!」
「潔子さんとシホさんの浴衣素敵でした!また明日ッス!」
これから寝るの?っていうぐらいハイテンションで、男組は部屋へと入って行った。
騒ぐんだろうな、どうせ。
私達も部屋に入ろうという時、三年生組が声をかけてきた。
「清水来ない?こんな風にこーゆーとこ来れるのたぶん最後じゃん」
「思い出いっぱい喋るべ」
やましい感じ一つない誘いに、潔子さんは戸惑いながら私を見た。
「でもシホちゃんが……」
「私はいいです!寝てますし、寂しかったら同じく一年組に混ざってますから」
むしろ青城の部屋に行くにはそっちの方が都合が良かった。
無理やり潔子さんの背中を押し楽しんできてくださいと笑顔で見送った。