第8章 青城のマネージャー
シホside
やって来ました、温泉!
なんと烏養コーチが商店街の福引きで一等賞の温泉一泊二日団体券を当てました。
嬉しいことに烏野高校バレー部を招待してくれるそうなんですが……
「「練習は⁉︎」」
温泉旅館を目の前にして、選手は口を揃えた。
ですよね。こんな大事な期間になんで温泉⁉︎って私も最初思ったし。
「仕方ねえだろー…10人以上じゃねえと駄目だし、期日の最終締め切りはIHの予選中なんだ。せっかくだし、お前らに温泉入って欲しいって事で…」
烏養コーチはダルそうに答えた。
この人実は何も考えてなかったな。
理由の後付け感がハンパないけれど、それは気にしないでおこう。
温泉に入れるわけだし……。
今更どうもならないし。
「それに無理して怪我もよくないし、お前らオフ少なすぎんだよ。少しは休め」
「……」
「けど……」
納得いかない選手達。
しぶしぶ旅館に入って部屋へと進んだ。
「今回は俺と先生、マネージャーと、選手は学年ごとに部屋分けてもらってあるからな」
皆せっかくの温泉なのに嫌そうな顔。
本当にバレー好きなんだなぁ。けど、そんなつまらない顔をしていたらこの時間が無駄になるだけだ。
「先生、ここの料理って確か昔三ツ星とったシェフのお弟子さんが作ってるとか……」
「「三ツ星の弟子……⁉︎」」
わざとらしく先生に声を掛けると、安い食欲がヨダレを垂らしながら釣れた。