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Dye D? 3

第26章 喪失  5










  横山がキッチンから出た時だった

向こうから村上が歩いて来ていたのだった



村上は横山を見つけると

真剣な顔をしながら近寄って来た




その様子に横山は何があったのだろうと

察して自分の所に来る村上を待った




村上は横山の前に立つと

突然、深々と頭を下ると




村上「頼む

俺にお前の手伝をさせてくれ!」



村上の言葉に横山は

まったく意図が掴めずにいた



横山「雛、どなんしたんや?」



村上は頭を上げると横山を睨むように



村上「俺なんでもするから

敵を調べる事や

アイツらを助ける方法を手伝わしてくれ」



真剣な顔で頼む村上に

横山は何故か少し笑っていたのだ




横山には

村上のこんな所が本当に

自分たちに必要だと感じていた

誰よりも真っすぐで

吸血鬼らしくない彼がいるから

自分たちは何年も笑って過ごせているんだと

感じていたのだ




何も言わずに自分を見て

笑っている横山に業を煮やしたのか

村上は少し怒った口調で




村上「なんやねん!人が真剣やのに!」



その怒りの言葉に横山は頭をかきながら




横山「すまん、すまん

ほんまに何でもする覚悟はあんねんな?」




そう告げると怪しく笑ったのだった



その言葉に村上は一瞬、

ドキッとしたような顔をしたが

自分の意志が強い事を示すように



村上「おん」



返事と同時に力強く頷いたのだった



その返事に横山は村上を静かに見つめ




横山「ほんなら着いて来いや」



言葉と同時に

村上に背を向けて歩き出したのだ





村上は慌てて

横山に追いつくように小走りになっていた



横山は村上の歩みを気にする事もなく

自分のペースで歩いていた



そんな横山に村上は訊ねた




村上「なぁ、

アイツらを助ける方法はあるんか?」




村上はどうしても

自分の手で助けたかったのだ


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