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Dye D? 3

第23章 喪失  2






その時だった

大倉が静かに部屋に入ってきたのだ


ミナは大倉を知ると

飛びつくように椅子から立ち上がり

走って行った




飛びつくミナを大倉は静かに受け止め

怪訝そうな顔を見せた


その大倉に助けを求めるように

真偽を確かめる為にミナは声をだした




ミナ「す、姿が、姿が・・・・」




ミナは震える声で

横山を指さして大倉に伝えたのだ



その言葉に大倉は反応するように

横山の方に視線を向けた



大倉は感じた

人と変わらない血が流れ始めた事を





横山「完全に人間になったようやな」



静かに言う横山に

大倉は寂しそうな瞳を見せ




大倉「・・・・そっか」



それだけ言うと

自分の腕に縋りついている

ミナを見つめて告げた




大倉「決してこの事は誰にも言わないで欲しい

俺たちの仲間にももう一人の君にも」




大倉の哀願が

ミナの胸に寂しく響いたのだ


これには何かあると察した

だからミナは静かに言葉に頷いた




横山は冷たく二人に告げた




横山「今日、一日を乗り越えたら

大丈夫や・・・」




そう呟くと

自分の波打つ血管を見つめていた




この感覚は久しぶりだった

血が熱く感じ

匂いや味が自分の中で味わえる




しかし命が危険に

さらされている時間でもあった

だから仲間にも話さなかったのだ




信じてないとかではなく



もし敵が知った時に

仲間を疑いたくなかったのだ



仲間が知っていたら

もしかしてと思ってしまうから

だから横山は誰にも言わずに




この忌まわし時間を一人で

何度も乗り越えて来ていたのだ




そうやって仲間を守っていたのだった





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