• テキストサイズ

Dye D? 3

第22章 喪失  1






そんな渋谷に村上は訊ねた


村上「すばるは、何も思わんのか?」




村上の問いに部屋に入りかけていた渋谷は

小さく笑いながら答えた




渋谷「本人が言わんことは聞かん方が賢明やで

言えたら言ってるはずやろ?

聞いたら相手を傷つけてまう時もあるしな」





それだけを言うと

少し微笑んで村上を見つめた




その言葉で

ずっと丸山の胸ぐらを掴んでいた

村上の手が静かに離れた





渋谷「心配するんもええけど

それは勝手な気持ちって知っとかんとな」




村上「・・・・そうやな」



渋谷の言葉に

うなだれる村上を見ながら

渋谷は丸山にも声をかけた





渋谷「知らん奴には

それだけでも不安になるんやから

肝に銘じとかんとな」




丸山はそれが自分への言葉と受け取り

静かに無言で頷いた




その様子を渋谷は見て微笑むと




渋谷「雛、お前はこっちに来い」


そう言うと手招きをした

突然に呼ばれた村上は驚きを見せると




渋谷「マルは何か仕事をしてるんを

邪魔したらアカンやろ?」




そう言いながら

扉を開けながら村上を待っていた






村上「おん・・・」




村上は渋谷誘われるように部屋に入って行くと

残された丸山は渋谷に頭を下げた

その様子を渋谷は見ると

苦笑いを残して扉を閉めたのだった




一人になった丸山はパソコンに向かった


力を無くしたと言っても横山は何かを掴んでいる

それが何なのかを知りたかった





横山を守る為に

仲間を守る為に丸山は必死だったのだ




力の失くした横山を

自分は守り切れるのかという

不安を抱えながら

丸山は自分と向き合っていたのだった



/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp