第22章 喪失 1
長い沈黙の後に
大倉は何かを覚悟するかのように
口を開いた
大倉「・・・・今は日が昇っているから」
それは悔しそうな声だった
ミナは思い出していた
この人たちが吸血鬼だって事を
太陽に弱いと
ミナ「・・・・そっか」
ミナは自分が
悪い事をしたかのように俯いた
すると静かに大倉は力強く言った
大倉「雪は、こんな事で負ける妻ではないし
俺には仲間もいるから」
その言葉を言うと
大倉は決意したかのように
足を動かし始めた
ミナはこの言葉で
彼らの繋がりの強さを感じていた
自分から遠ざかって行く
大倉に追いつくように
ミナは足早に追いかけたのだ