第30章 喪失 9
ミヨは悲しそうにミナを見ると
ミヨ「・・・・私、一度死んでるの・・・」
その言葉を否定するように
ミナは首を大きく振る
ミヨは寂しい瞳でミナを見つめると
ミヨ「・・・子供の時に
川で遊んでいる時に・・・」
ミナは言葉を聞きたくないのか
耳を押さえて首を振り続けたのだ
ミナ「ちがう・・・ちがう・・・」
その二人のやり取りを
横山は何も言わずに見つめ続けていた
ミヨは耳を塞いでいるミナよりも
今度は横山に語り掛けるように言ったのだ
ミヨ「ミナは
忘れているかも知れないんですが・・・」
寂しそうな表情のミヨを見ながら
横山は言った
横山「そうですか・・・
その時なんですが」
言いかけた時だった
横山の耳元に突然
嫌らしい声が聞こえてきたのだ
『お前は邪魔だ・・・・』
その瞬間だった
横山の意識が消えたのだった