第47章 永遠に美しく。
「何でさ」
ぐっと無意識に拳をつくっていた。
手が痛い。
「はい?」
「何でいっつも初めては他に持ってかれるかな!」
体を離して云う。
自分がどうこう云える問題じゃないかもしれない。
けれど彼女が誰かのものになるなんて耐えられない。
「ごめんなさい。国見くんをないがしろにしたワケではないのですが、結果的にそうなってしまいましたね」
紅い目が細められる。
「良い。…てか目、紅いのずっとなの?」
普段自分はちゃんと黒い目をしている。
彼女は『ちゃんとした』吸血鬼だから違うのだろうか。
「いや…国見くんを見たら何だか、…興奮してしまいまして…隠せなく…」
彼女は恥ずかしそうに目を伏せた。
「こうふっ?!えっ?」
「国見くん達が血を吸いたいって気持ち…よく分かりませんでしたが、…その…自分が成って、みたら…国見くんの…その…綺麗な首を見たら不覚にももよおしてしまいました」
きゃっとはにかむつむぎに国見はうっと息を詰まらせた。