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【HQ】バンパネラカンタービレ【R18】

第46章 skirtred spring.


本当におかしいのだけれど、兎に角二人はすっかり彼女を忘れていたし、今思い出したのだ。

「あの…何て云ったら良いか…」
及川に抱きしめられても彼女ははにかむばかりで拒否をしない。
彼女も二人と会えなかった間寂しかったのだろう。

「岩泉先輩…お話がしたくて…来てしまいました」
まるで剥きたての桃の様な肌もそれを彩る僅かに上気した赤も全てが懐かしい。
そう感じる程に彼女は岩泉に愛されていたし、しかしすっかり忘れられていた。

「ん。じゃあ外行くか」
イケメンの代名詞の様な及川に抱き締められる一年生に教室にいた者のみならず近隣のクラスの生徒まで(何故か)事の成り行きを見守っていたからだ。

「はい」
明るい日差しに気だるそうに目をしばたかせ彼女は答えて歩き出す。

「えー、及川さんは行っちゃだめ~?」
すっかり絆された及川が甘えた声で云うが彼女は楚々として笑い頷く。
「放課後に部室の方にお邪魔しますのでご容赦くださいな」
彼女に微笑まれ、仕方ない、とぶちくされながら及川は席に戻る。
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