第43章 the night Walker.
「あの…みんな、そう成って、しまうのですか?」
私が愛したあの人達もいつか初音の様になってしまうのかと思うとそら恐ろしかった。
「いや、人として生きたいなら二十歳になる頃には癒えるさ」
「ならあなたも」
「私は失ってしまった。捨ててしまった。人としての生活を捨てた人を愛し、寄り添いたいと願ってしまった」
「その人は?」
「人に戻りたいと泣きながら血を絶ち人として死ぬなんて血迷って陽の光を浴びて溶けてしまった」
初音は笑っていた。
でも目はあの雪の日に見た時と同じだ。
「君に又会えて嬉しくて、私を思い出してほしくて、…でも同じ様に君を仲間に引き入れてしまったら又繰り返しだ」
でも、と初音は言い淀む。
「君はバレー部の連中と、バンパネラと関わり出した。君は優しいから彼等にも手を差し伸べて、…私は、私は…さ」
「やきもち、やきましたか?」
「うん」
初音は幼気な顔で云う。
「だから、私を仲間にしたくて呼んだ、とか」
「うん」
……。