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【HQ】バンパネラカンタービレ【R18】

第43章 the night Walker.


私は約束した。
初音を救うと。

「分かりました」
私の言葉に初音は泣き笑いの様な顔だ。

「君は彼等と生きたいんだよね。私、私も彼等は良い人だと思うよ」
「初音を選びます」
初志貫徹、だよね。
吸血鬼になったって、私が私じゃなくなるわけじゃない。

バンパネラは病。
いつかは癒える病。
それでも不治の病。

一度逸脱したら戻れない。
不老であって不死でなし。

「私も『園芸部の仲間』に入れて下さい」
私の言葉に初音は何故か慄いている。
「わ、分かってる?私を受け入れたら君は彼等と同じに、それも戻れない地点からのスタートになるんだぜ?」
「なら今度は私が吸う側になりましょう」
私の言葉に蓼科さんも驚いている。

寒くて暗い教室に沈黙が漂う。
「君は嫌がると思ったから…」
「私はあなたに拒否されてバンパネラを忌避し、それでもどこかで探していた。だから又会えたのかもしれませんね」
そっと、初音の手を取る。
冷たい手に…一体この人がどれだけの寂しさを募らせていたのかと想い、目頭が熱い。

「思い出せて良かった。だから私も仲間になります」
ぎゅっと手を握る。
「私はあなたが良い。別に彼等と永遠に会えないワケじゃないんですから大丈夫です」
彼等を想い、愛しい様に、目の前にいるこの寂しい大人を救いたい。
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