第40章 あなたとワルツを。
「いや、ちがくもないんだけどさ。
やっぱりやつらの前であんま近くなんねぇ様にしてたんだわ。
そりゃ、血だって吸いたいし触りたいけどな」
その言葉にぶわっと一瞬にして涙がもりあがる。
そのまま涙がだばだばこぼれ落ちた。
「泣くな…」
岩泉先輩がハンカチをかしてくれる。
ちょっとよれてるのが何か男の子っぽい。
涙をふくけど止まらない。
後から後から出てくる。
「ほんどでずがぁ~」
涙で言葉がおぼつかない。
「ん?」
「私に触りたいですか?血がほしいですか?」
「そりゃ勿論だ」
何でもいい。
嬉しくてもう涙が止まらない。
云いたいけど云ったら止まらなくなりそうで。
言葉にしなくなってた。
だから触れあってみてもそれすら特別にならないようにって気を使って。
「私もです。一先輩と…」
血を吸われたい?
触れあいたい?
一一もっと単純に。
「一先輩と、一緒に…」
高校生の一緒にいたい一一ナンテ、若気のいたりでいつか自然消滅しちゃうのがオチかもしれない。
でも、私…一先輩とは終わりたくない。