第39章 放課後 Date.
「ん?」
抱きついてきた私を優しく抱き返してあやすように撫でながら先輩。
「し、しま…せんか?」
云う私の声は震えていた。
「だーめ。そんな事云うなら帰る」
えぇ?!
ま、さか断られるなんて。
やっぱり私には魅力ないんだ…。
血は美味しくても私をどうこうとかやっぱり好きじゃないんだ。
能動的に浮気したかったワケではないけど、受け入れてもらえないのはやっぱりショックで私は更にべそをかく。
「泣かないで。…てか離れて?」
私のスカートのポケットからハンカチを出して顔を拭いてくれながら花巻先輩。
やっぱり私は嫌われてるんだ!
「いや…嫌ってないし、むしろ好き側だけどね…俺も男だから」
…?
それは…私を女の子として意識してくれているって意味ですよね!
輝く私の顔に花巻先輩が苦笑いする。
私は更に抱きつく。
「だから離れてってば」
「やです」
「やです、じゃなくて」
「やです」
花巻先輩は又私をなでる。
「そういう気持ちにつけこみたくないワケじゃないけど、つむぎが後悔するよ」
花巻先輩が諭すように云う。
私の名前…呼ばれてきゅん、てする。