第39章 放課後 Date.
及川先輩とかの何かのとりとめない話をしながら歩く。
案外にも家にすぐ着いてしまった。
「あ、あの家です」
私が指差すと花巻先輩が頷く。
「親遅いんだっけ?」
「はい!」
答えながらドキッとする。
「じゃあ戸締まりはちゃんとしな。じゃあまたね」
私の頭を優しくなでて花巻先輩が折り返そうとする、のをガシッとブレザーをつかみ止めた。
「何?」
「上がって、かないんですか?」
「うん」
え、あっ、あー?!
わ、私は、うわぁー?!
「あ、上がっていってください、あの…良かったら、でいいんですが…」
しどろもどろに云うと、花巻先輩は薄く笑む。
「じゃ、すこしだけね」
花巻先輩に云われて頷きながら家に招く。
あ、あれ、何か、うん?
ま、いっか。