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【HQ】バンパネラカンタービレ【R18】

第39章 放課後 Date.


花巻先輩は私の手をつかみそこへ入っていく。

「あら花ちゃん久しぶり…あれ、隣の子彼女?」
気安くお店のおばちゃんが花巻先輩に話しかける。
「そんなとこ」
ぶっきらぼうな花巻先輩におばちゃんが笑う。

ってゆーか!
彼女、…では、ないんですが…。
うぅ、又涙が。

花巻先輩は私をカウンターの奥の席に座らせる。
そのまま、調理スペースとの仕切りにのっかった保温器からおしぼりを取り出す。

涙が出かけていたのもあってそれで顔をふく。

「おっさんくさいなぁ」
花巻先輩に笑われてむっとしながらも何だか嬉しい。
しずんでいた気持ちがふわふわあったかくなる。

「女の子に失礼です!」
云えば先輩はにこにこ笑う。
「元気になったなら良かった」
私は肩をすくめてカバンを足元におく。
花巻先輩のも私の横におく。

「ラーメン二つね」
花巻先輩が迷いなく云う。
異論はない。
席に置いてあるピッチャーの水を仕切りに伏せてあるコップをとって注ぐ。

それを私と花巻先輩の席におく。
「ありがとうございます」
正直さっきのまま歩きだしていたら泣きながら帰ることになっただろう。
一緒に帰ってもらえて、普通にしてもらえて、からかわれて。

私も笑っていたと思う。
花巻先輩も私を見て笑う。
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