愛玩人形になるまで【DIABOLIK LOVERS】完結
第3章 彼の思惑、彼女の選択
『ユイちゃん、ユイちゃん、カナトどこにいったの?』
カナトから解放され、疲れたユイはリビングで休んでいた。
しかし、今最も会いづらいと感じるキャンディが現れて、話しかけてきた。
「キャンディちゃん……えっ、どうしたのその血!?すぐに手当てしなくちゃ!」
キャンディの手首から大量の血液が出ているのに気づいたユイは、慌てて救急箱を取りに行こうとした。
『大丈夫だよ?カナトが治してくれるから』
キャンディは平然とした顔で言う。
ユイちゃんが心配してくれて、嬉しい……でも、一番はカナトだからごめんね?
「え……?」
「甘い血の匂いがすると思えば、やはりキャンディでしたか」
『カナトっ!!……カナト、カナト、カナト』
カナトが来てくれた……!!
ふと現れたカナトにキャンディは嬉しさを隠しきれず、カナトに抱きつき、カナトも優しくキャンディを抱きしめた。
「あまり無防備に血を出すと、他の兄弟に食べられてしまいますよ……まあ、僕はそれを許しませんが。さて、行きましょうかキャンディ」
『あのね、カナト……嬉しい?』
不安げにカナトの表情を伺いながら問う。
怒ってないかな……?
嫌われたりしてないかな……?
「少し予想とは違いましたが、とても嬉しいですよ」
『ふふ、良かった』
けっこう深く切れちゃったみたいで、痛かったけど、カナトが喜んでくれるならこんな痛みなんて気にならないよ。
キャンディはカナトに寄り添いながらリビングを出て、暗闇の中へと消えていった。
ーー
次回、過去編でその次くらいが最終話ですかね(予定)
ここまで読んでくださりありがとうございます!
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