第3章 ウォータイム
其処には黄土色の髪をお団子に纏めた可愛らしい少女がいた。紺色の制服を着ている。明るい緑の目がしっかりとアラタを捉えている。
アラタはミクルから離れた。
「???」
「他の仮想国の生徒と戦闘活動に関する話をおいそれとしてはいけません。情報漏洩で処罰されちゃうよ?」
そう言えば、と思い出す。確かメイカが言っていた。敵の仮想国の生徒とウォータイムの話をすると、退学させられてしまうのだ。アラタはぽかんとしている。
「えと、君は……」
「私は鹿島ユノ。よろしくね。えっと、キミは?」
「僕は青音ミクル。ハーネス所属なんだ、よろしくね、鹿島さん」
「俺とヒカルと一緒に今日から転校して来たんだ」
「そうなんだ。それよりアラタ。副委員長としてあなたをダック荘まで案内しなきゃいけないんだから!行くわよ、アラタ」
「ああ、わかったよ。ミクル、またなー!」
去っていく二人を手を降って見送る。
「ミクル以外にも転校して来た奴がいたんだな」
気がつくと、ツバサたちがミクルの隣にいた。