第3章 ウォータイム
美都ははぁと息を吐く。
「……わかりました。そのままだと、その子が可哀想です。それに、初戦でロストされた日には目も当てられませんからね」
「感謝する」
美都はミクルに視線を向ける。
「青音ミクル、初めまして。私は美都玲奈。ジェノックの司令官よ」
「よろしくお願いします」
「日暮先生にはハーネスの司令官になります」
美都は腕時計に目を落とした。
「もうあまり時間がありませんね、移動しながら説明しましょう。それに、百聞は一見にしかず……と言いますしね」
人から話を聞くより、直接の方が良い、ということか。
美都は後ろに指を指した。
「あそこにある時計台に行きましょう」