第3章 ウォータイム
「日暮先生、貴女も転入生への説明ですか?」
「ええ、見ての通り」
赤髪の少年はミクルに声をかけた。
「おおっ!ミクルも来てたのか!」
「アラタにヒカル!!」
「あら、あなたたち、顔見知りなの?」
「はい、此処へ来る前フェリーで出会ったんです」
真尋は「成程」と頷く。
そして、話を切り上げた。
「時に、美都先生。良い提案があるのだが……」
「何でしょうか?」
真尋は何も答えず、ただ美都を見ているだけだった。
美都はそのことがわかったようで、顔をしかめる。
「ま・さ・か。私にこの先の説明をして欲しいという提案ですか?」
「流石、ジェノックの司令官。察しが良いですね」
アラタは目を丸くする。
「あれ?お前、聞いていないのか?」
「まだ説明聞かれてないんだ……」
ミクルは困った顔をして、答える。
真尋が説明しようとした途端、アラタたちが現れたのだ。タイミングが悪かったのだ。