第18章 夏の終わり
ー及川ー
先輩圧を国見ちゃんにかけて黙らせる俺らを横目に、まっつんとマッキーがべにちゃんに話しかけられていた。いいな、俺も混ざりたい。
「浴衣似合ってんね。大人っぽい」
松「俺は普段から言われる」
花「なになに、惚れちゃう?」
「いや、ないわ」
間髪入れずってこういう事かってくらいの速さで答えたべにちゃんにマッキーは爆笑した。
「あたしはもっとガタイが良い人が好みなんで」
サラッと発せられた言葉に岩ちゃんと俺は同時に振り向いた。ねぇスルーしないで、ちょっとは気にしてよ、べにちゃん。
松「えー?俺らもそれなりに良いと思うけど」
「んー、なんつーか2人はまだ薄いかなぁ。鍛えられてんだけどね、まだ及ばない。」
花「あーくそー、もうちょい厚み付けっかな」
「あくまであたしの話だっての。」
まっつんとマッキーは密かに狙おうとするのヤメテ下さいっ。
及「なら俺は?」
我慢しきれず会話に割り込めば、上から下まで俺の身体を見てクリア、と小さく呟いた。
及「俺べにちゃんの好みのカラダってこと!?」
「紛らわしい言い方すんなバカ」
辛口コメントだけど及川さん気にしないもんね!!
及「そう言えばさ、べにちゃんまさか一人出来たわけじゃないでしょ?他の人は?」
「あ、」
忘れかけていた本題:『迷子』
及「まさか迷子?」
「、、、そんなまさか、」
及「うん、迷子なんだね。」
地に埋まりたい。