第11章 Red snow
「ふぅ。にしてもこの島は暑いな。」
夏服なのに暑い。
それにくらべサボは超厚着。
「サボ、暑くないのか?」
「俺?平気だ。」
ウソだ!
「熱中症になるぞ!」
「ねーちゅーしよー?」
バシッ
「こんのドアホ!」
「そう聞こえたんだ!」
「とにかくサボ、服買いに行くぞ!!」
エスメラルダはサボの手を引く。
「おっ!デートっぽくなってきた!」
「るっさい!」
とにかく店を探してさっさと買おう。
「この店いいんじゃね?」
サボが示した店にとにかく入る。
「いらっしゃいませ。」
店員が近づいてくる。
「あら、かっこいいおにいさん。暑そうな格好ですね。」
「だろ?夏服を選んでくれないか?」
「彼女様もお綺麗で、私がコーデするのではなく彼女様が普通は彼氏様のコーデをするのですよ?」
彼女じゃねーし!
「じゃあさっさと選べサボ!」
「今店員が言ったろ?お前が選べよ。」
「はぁぁぁ!?やだよ、サボの趣味分からんし。」
いつも同じ服しか着てないから何が似合うか分からない。
「サボってイメージがその服だけで全然思いつかない。」
「何でもいいからさ。」
「じゃあこれとそれ!」
「適当だな・・・。」
選んだのは青いTシャツと白い短パン。
「でも意外といいな。」
「そうか?」
「俺それにする。」
「着ていかれますか?」
「おう!」
「では更衣室を使ってください。」
「会計は済ませとくぞサボ!」
「サンキュ!」
サボが着替えている間に会計を済ませた。
「これは服を入れる袋です、どうぞ。」
「あぁ、どうも。」
ガシャー
「どうだ?」
「帽子取ったほうがいいぞ。その格好に似合わないからな。」
「へいへい。」
意外と似合ってるし。
こういう服のサボもかっこいい・・・
何てこと思ってんだろ私・・・。
「どうだ?」
「いいんじゃないか?」
「かっこいい?」
「へ?あ・うん。かっこいぞ。」
かっこいいか・・・。
そんなこと言うのは初めてかもな。
「さ、行くか。」
「お前はいいのか?」
「別に特にないから。」
「あっそう。」
サボは再びエスメラルダの手を握り店を後にした。
「あ、でも帽子がほしいかも。」
「ここ日差しがすごいもんな。」
「寄っていいか?」
「俺が選んでやるよ!」