第2章 急なクラス替え
「ところで」
「はい?」
「俺たち以外のメンバーは、この学校の生徒ではなかったはずだが。
こいつらもまた同じなのか?」
赤司の目がすっと細められた。
彼が言う通り、ここに書いてある名前は、カタカナだらけの名前だった。
カタカナだらけの名前だと、やはり印象には残るのだが、これだけ欄が埋まるということは、どこからかやってくるということが考えられた。
思わず大きくため息をついた。
(龍輝に助けを求めましたが、こんな人数に囲まれてしまうと、さすがに僕だけでは助けれません…)
助けを求めた翌日から、彼女は学校に行ったまま帰ってこなかった。
いつも返事が返ってくるはずなのに、返ってこないことが余計辛かった。
だが、ゆっくりと名前を見ていると見たことがある名前が記載されていた。
見たことがある名前ではなく、聞いたことがある名前。
よく、双子の妹の会話の中に出てくるし、家に連れてきたこともあり、少しだけ一緒に遊んだことがある人。
「トラファルガー・ロー…」
はっと、息を呑んだ。
改めて名前を見てみると、よく彼女の口から名前が出ていたではないか。
会ったことはない。
それでも聞いたことある名前が。
そして、カタカナだらけの名前の中に、自分と同じ苗字の人物がいることに気がついた。
名前は彼女が、ハンドルネームとして愛用している名前。
あぁ、これで…
「テツヤ?」
「赤司君、僕たち、この現状から抜け出せるかもしれません」
黒子のはっきりとした意見に赤司は、彼の視線の先を見た。
だが、そこにあるのはクラス分け表。
今さっきまで確認していたが、カタカナだらけの名前に飽きてしまい、途中で見るのを辞めたのだが、その先にある名前に黒子はじっと見つめていた。
「黒子…浩也…?
もしかして…」
「はい。
双子の“弟”です。」
「…そうか」
赤司には、存在を伝えていたが、妹だと教えていたため、黒子なりに頭が良い赤司に伝わるように言ったのが、彼の返答に伝わったのだろうと解釈し、歩き出した赤司の後を追うように歩き出した。