第8章 バスケをたのしもう
放課後。
彼らは龍輝を囲むように体育館へと歩き出していた。
赤司とテツにとっては久しぶりの大人数でのバスケ。
龍輝たちにとっては、授業ぶりのバスケ。
互いに楽しみでしょうがなかった。
「ここの体育館は、使って大丈夫だよ」
「やっふー!
テツとバスケやるけど、こんなしっかりした場所じゃなかったから、嬉しい」
着ていたブレザーを脱ぎ捨てると、壁側へと投げ捨て、床に落ちてあったバスケットボールを片手に取ると、ゴールへ向けて片手で投げていた。
綺麗な放物線を描いた後、吸い込まれるように入っていったボールはまた龍輝の元へと転がり落ちてきた。
「まったく、男の子みたいになっちゃって」
ブツブツと文句を言いながらも、ナミは脱ぎ捨てられたブレザーを取ると、汚れてる場所を手で掃くと、舞台の上へ座り、自分のスカートの上から龍輝のブレザーをかけていた。
「ビビちゃ〜ん!
良かったら俺の(ry」
「すげー!!
おれもやる!!」
そう言って投げ捨てられたルフィのブレザーはビビの近くにと投げ捨てられていたので、ビビは苦笑しながらもそれを取ると、ナミと同じように舞台の上へ座ると、足にブレザーをかけていた。
「ざまぁねぇな、クソコック」
「んだと、マリモ!!」
久々に騒がしくなった部活に、赤司は切れそうになりつつも、深くため息を吐き、テツはルフィと1on1を始めようとする双子の妹に苦笑を浮かべていた。
実際にバスケをやっていたのは、数人だけ。
他のメンバーは空いてる場所で、本を読んだり、寝たり、一人一人の違う過ごし方で時間が過ぎていった。