第7章 お昼の時間
ローと同じく寝転がる龍輝にテツは苦笑を浮かべていた。
赤司は手を伸ばし、頭を撫でるとまたお箸へと手を向け、ご飯を食べていた。
「さすが、モテる男は違うね…」
龍輝の言葉に反応したのは、反対側で寝転がっていたローだった。
起き上がるなり、龍輝の側まで来た彼は着ていた制服は寝転がる彼女へと掛けられていた。
「ローが優しいとか、何があったし…」
「うるせェんだよ。
黙って掛けられとけ」
首を傾げる彼女に、赤司とは違う雑な方法で頭を撫でたローは寝ていた場所へと戻ると、またその場で寝転がり出した。
そんな彼らの行動に数名だけ、ローを哀れむような目で後を追っていた。
「まぁ、いいや…
おやすみ…」
ふと目を閉じた際にコンクリートの固さから柔らかい何かとともに感じた香りと、目蓋の上に感じた暖かさは、長年側にいたからこそわかるもので。
やっぱり1番は、学校でずっと一緒に過ごしているローたちでも、初めて会った赤司でもなく、片割れなんだなと意識が遠退くのを感じていた。
「テッちゃん…」
小さい頃呼んでいたあだ名を久々に口に出したのだが、彼には届いているだろうか…?