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トリッパーを退治する話

第6章 とある少女の語り


とある少女の語り





あぁ、本当にトリップに成功した。
嘘くさのい神を信じたけど、愛されるキャラを作ってもらって、名前も愛と可愛くしてもらった。
髪も黒から、茶髪にしてもらったし、顔も可愛くしてもらった。

帝光中に入学して、涼太と同じクラスになって、仲良くなってバスケ部のマネージャーになることもできた。

征十郎とテツだけは愛にときめいてくれなかったけど、いつかは愛の存在が大事になってくるのがわかってくるはず。

だって、愛、可愛いんだもん。
姫なんだもん。
愛なんだから、みんなに愛されなきゃ。

あぁ、いつになったら気づいてくれるの?
あなたを愛してくれるのは愛だけだというのに。



でも、こんなイケメンに囲まれている愛のところにまた神様は、新しいイケメンたちを連れてきた。



この世界にいるはずがない、ワンピースのキャラクターたち。
あぁ、ローもイケメン。
睨みは怖いけど、整ってる顔で見られていると彼もまた愛の虜になるだろうと嬉しくてしょうがない。
ルフィも、ゾロも。
サンジもみんなみんなイケメン。
かっこいいなんて言葉だけでは物足りない。


でも、その中でも彼だけは飛び出ていた。
黒子浩也
テツの双子。
テツとは違う、キリッとした顔つきに、それでも見せるフワッとした笑みに、心のどこかで彼にもっと近づきたい。
そんなことを、思った。


声をかけられ、思わず驚いたけれど、優しい笑みに緊張がほぐれて。
そして、座っている私に目線を合わせてくれるように屈んでくれて。
頭も撫でられて。
一気に加速していく心臓の速さに、戸惑うばかりで。
でも、嫌じゃないその心臓の速さに、ぼうと彼を見つめていた。
優しい。
かっこいい。
声は中性的だけど、低くなる時の声。
身長は高くはないけど、愛よりも高くて。


全てが魅力で、あぁ、愛。
彼に愛してもらうべきなのに、私自身が彼を愛してしまったのだ。
みんなから愛されるべきなのに、愛は彼からもっと特別な愛され方を望んでいるのだ。


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