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トリッパーを退治する話

第4章 彼なりの基準



「浩也。
おれはここに座る。
お前は…」

「前でしょ?
わかってるって。
テツの隣だし、後ろはローだから安心出来るし。」



ローの言葉を遮るように伝えたことは、彼自身が納得するもので、笑みを浮かべていた。



「えー…
私、浩也君の隣に座りたいなー
こっちに来て欲しい!」

「ってことだ。
黒子…浩也。
姫からのさそーーーー」

「おれ!
浩也の隣に座る!!!!」


言葉を遮るように黒髪の青年、ルフィは浩也の隣にと座っていた。
その際に手が伸びてきたように見えたのは隣に座る浩也がルフィの頭を殴ったことにより、忘れられていた。


「麦わら屋」


ローの睨みに対して、ルフィはただ笑うだけで。
浩也はそんな2人を見て、笑うことしか出来なかった。



「え、と、ごめんね?
名前教えてもらっていい?」

「覚える必要ネェだろ。
如何にも浩也を狙ってそうなやつを」

「ロー。
…ごめんね、ローのやつ女性の方が苦手でさ。
改めて、俺は黒子浩也。
テツの双子の弟だよ。」


浩也は、立ちあがり、自分へと声をかけてくれた愛の方へと歩き出していた。
目の前まで歩くと、目線を合わすように屈み、声をかけていた。
自然とやってのけた、その行動にローは声をかけるが、浩也は彼に名前を呼ぶだけで、彼の言葉を遮っていた。



「あ、さ、榊原愛!で、す…」


思わず顔を赤くしてしまった。
そんな感じで顔を背けながら、名前を名乗った愛に浩也は笑みを浮かべると、手を伸ばして彼女の頭を撫でた。


「ごめんね、女性の方は長年の付き合いじゃないと名前で呼ばないことにしてるんだ。
だから、榊原さんって呼んで大丈夫?」

「は、はい!」

「あ、敬語は取ってもらうと嬉しいなー?
せっかくクラスメートになったんだし?」

「う、うん!
よろしくね!」


彼女の言葉にただ笑みを浮かべるだけで、席に戻るために手を振って、騒いでいるルフィとローの間に座っていたのだった。





(誰がよろしくするだ)







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