第4章 彼なりの基準
「ヨォ、久しぶりだな」
「お久しぶりです。
トラファルガー君」
「ローでいい。
そういったはずだが?
テツヤ」
「それはお断りさせていただきましたが?」
「おれはおれ自身で認めたやつにしか、名前を呼ばせてないんだ。
テツヤはあいつの双子だから認めたわけじゃねーから。」
それだけ言うと、後ろから続々と入ってくるメンバーに目を向けていた。
黒子たちとは違う制服。
それは龍輝が学校に着ていくものと一緒だった。
「テツ、なるべくならローの名前呼んであげて欲しいなーって。
ローの許可ってなかなかないんだよ?」
そう言って、双子の妹はテツだけに聞こえる声で話しかけていた。
それはなんとなくわかっていた。
そう簡単に名前を呼ばせるような人物ではないことを。
「それはわかってます。」
「まぁ、テツだけじゃなくなりそうだけどね」
彼女の視線の先には自分たちを見ているキャプテンの姿。
ローは無言で一番後ろの席まで向かうと、赤司の横へと座っていた。
顔を見合わせて、笑顔を浮かべる浩也に黒子はため息を零した。