第2章 情報の共有【Ⅰ】 小さな背中
銀時side
「いくらくらいだったんだよ。」
土方がタバコをふかしながら問う。
「だぁかぁらぁ、言ったろ。当分働かなくていいぐらい。」
「それをテメェはちゃんと断ったのか。」
そう言葉を発した土方を銀時はハァ?とにらむ。
「テメェまさか俺を疑ってねぇだろうな。」
「……少しくらいもらってんじゃないか。」
まだ疑っている土方を見て、視線を移し沖田を見れば同じような顔をしている。
「……あのなぁ俺がそよ姫誘拐に加担するわけねぇだろ。」
神楽の友達なんだから。
そういい終えるが否や、銀時は気恥ずかしくなって視線を斜め下に移した。
__________銀時は喉を潤すため、いちご牛乳を一口いただく。
驚きの表情を浮かべた所を見るとやはり何らかのクスリを警戒していたのだろうか。
一般人がそんなもん持ってるわきゃねぇだろ。
世間知らずなのか、はたまた警戒心が強い方なのか。
「俺は神楽や新八に給料はやれてねぇ。」
いきなりの言葉に訳がわからないという風に女は無意識なのか首をかしげる。
その仕草はまだ幼さを残していて。
「けどよ、だからといって人を殺したうえで成り立つ金をアイツらにあげれるか?」
銀時がそう言うと、困ったように女は眉を下げた。
言わんとしていることが分かるのだろう。
けどすぐに受け入れるのも癪なのか、軽く唇を噛み、大きな目を鋭くさせながら、
「お金はお金です。別に伝えなきゃいいじゃないですか。」
駄々をこねるように言い返す。