第2章 情報の共有【Ⅰ】 小さな背中
銀時side
話をする際、土方沖田の二人だけではなく近藤も加わった。
これは銀時の要望でもある。
「……して、どんな噺だ?万事屋。」
「どうもこうも今から話す。」
空は太陽は傾き、赤く染まっている。
一番星が輝き出しそうだ。
銀時は三人を目の前にしながらゆっくりと、千里が依頼をしに来たことのことを、話し始めた。
言葉を選びながら。
「2ヶ月くらい前のことだ。」
_________神楽と新八がいないある夜のこと。
一人寂しく酒を家で飲んでいると、甲高くチャイムがなった。
ほどよく酔っていた銀時は家賃の採集かと疑うことなく、扉を開けた。
結局は家賃の採集ではなかったが。
珍しく早々と。
扉を開けると笠を被った華奢な女が立っていた。
「依頼があるのだけれど、入っても構わない?」
紡がれる言葉も美しく、鈴を転がしたような人を魅了する声だった。
「あァ、構わねぇよ。」
「お邪魔します。」