第2章 情報の共有【Ⅰ】 小さな背中
銀時side
「ってオイオイ。ちょっと待てよ。」
不穏な雰囲気の中、少しおどけるように銀時は言葉を紡いだ。
しかし土方はもともと開き気味の瞳孔をさらに開き睨み付けてくる。
「いい加減諦めて帰れ。」
口から零れる言葉も絶対零度の冷たさで。
もう何も聞かない、という意思の現れからか後ろを向く。
しかし銀時もしぶとく食い下がる。
「俺はとんでもねぇミスをおかしちまったんだよ。」
その言葉に二人は肩を跳ねさせ、振り替える。瞳には不信感と僅かながらの興味を浮かべているように銀時は伺えた。
言葉をはっきりと続ける。
「俺はあいつを知っていた。」
「……なんだと。」
どういうことだ、と土方は尋ねる。
ここまで来て銀時は薄く笑った。
「続きを話してぇ。場所を変えねぇか。」
ここじゃ不味い噺だと悟った二人は何も言わなかった。
ただ、手だけをこちらにふった。
「お邪魔します。」