第8章 教えてくれたのは君だった。
千里side
"優しくて真っ直ぐな千里を私が奪っちゃったんだね。"
"ごめんね、頼りないお姉ちゃんで。"
"お姉ちゃんのせいで辛い思いさせてごめんね、けどもう大丈夫だから。"
"大好きだよ。"
_____________待って。
_____________待ってよ、お姉ちゃん。
置いていかないで、一人にしないで。
これくらいどうってことないから。
火傷の跡なんか別にどうでもいいから。
お姉ちゃんさえ居てくれればいいから。
男の手が自分のどこに触れようと、自分の体が弄ばれようと、どうでもいいから。
真っ赤な血を見てももう何も思わないから。
望まれれば声だって出す。
望まれれば殴られるのだって我慢できる。
体なんてどうでもいいよ。
自分の恋愛なんてどうでもいいよ。
お姉ちゃん。
お姉ちゃんさえ居ればそれでいいから。
家族と笑える時間が一瞬でもあればいいから。
手だって体だって汚れたって構わないから。
傍にいてよ。置いていかないで。
たった一人の家族じゃん。
お姉ちゃんを守るのなんて当たり前じゃん。
なんにも変なことじゃないよ。
変なのは私たちを見て助けてくれなかった人たちだよ。
お姉ちゃんはなにも悪くない。
だから、だからっ……!!
"幸せになってね。"
____一緒に幸せにならなきゃ意味ないよ……。