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黒バス短編

第3章 Marry me


黒子がはい、とペットボトルを紫原に手渡す。
紫原は狼狽えた。めんどくさい、と毒づくも、自分の気持ちが見透かされている気がして、どうにもばつが悪い。
仕方なくペットボトルを手にと緑間の元に近づいた。
気恥ずかしさから目を合わすことが出来ず、ぶっきらぼうにボトルを差し出した。
「ちん、これ黒ちんが」
「あ、ありがと」
紫原の態度に戸惑いながらも、が手を伸ばす。
「俺のはないのか」
「みどちんのは貰ってない」
全く仕方ないのだよ、と緑間は黒子の元へ歩いていった。
思いもかけずと2人並ぶことになった紫原だが、何を話したらいいのかわからない。いつも素っ気ない態度を取ってきた。だって自分といることを迷惑に思っているかもしれない。
「紫原くん」
が紫原を見上げている。
「これ、持ってきてくれてありがとう」
さっきも聞いたし、と言えば、もう一度言っておいたとは笑った。
もっと彼女と話して、向き合いたい。
「あのね、ちん」
紫原は決心してと視線を合わせた。
「いつもちんは黄瀬ちんと一緒でしょ。何かそれ見るとムカついて、でもほんとはちんと一緒に美味しいお菓子いっぱい食べたいって思ってた。っていうか、俺がお菓子いっぱい作ってずっと食べさしてあげる。
確かに黄瀬ちんはモデルでかっこいいだろうけど、俺も不細工ではないと思うし。背も一番おっきいし。それにちんがいつも笑ってくれるようこれから頑張るから」
の様子に気を配る余裕もなく、だからさ、と彼女が肩に手を置く。
「俺と結婚して欲しーって話だし」

辺りが一瞬静まり返り、どっと笑いが上がった。
「敦、プロポーズはいくら何でも早いだろう」
赤司の言葉に紫原は我に返り赤面した。
「違っ!今の間違い、いや間違いじゃないし」
大爆笑の渦の中、紫原と同じ位真っ赤になったがそれでも少し微笑んでくれている気がして紫原はもう一度囁いた。
「ほんとだから。ちんのこと大好き」
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