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テニプリ短編小説

第1章 忍足侑士


※エセ関西弁です。


今日もいつも通り電車で恋愛小説を読む。もちろんカバーつけてるからなに読んでるか誰にもわからんけど。だって男が恋愛小説読んどるのばれたらなんとなく恥ずいやん。まぁ一人で恋愛映画見に行くこともあるけど、それはまた別やから。
ふと、小説から視線をそらし離れたところを見ると、うちの学校の制服を着た女の子がおった。多分1年生の子や。入学式で見た気する。この電車で見かけたことないから少し不思議やなと思ったけど、他の車両にいただけかと思い、また小説に目を向けた。
あかん、全然内容入ってこおへん。さっきの子足綺麗やったなとかそわそわしてたけど大丈夫なんかなとか気になってしまう。女の子がいた方に目を向けると姿が見えなくなっていた。いつもの車両に移ったのかもしれへんな。もうちょい足見てたかったわ。
そう思っていると急に後ろから服を引っ張られた。驚きすぎて肩はねてたんちゃうかな。
恐る恐る後ろを振り向くと、さっきの女の子がおった。

「助けてください…」

目に今にもこぼれそうなほど涙溜めて言ってきたから痴漢かと思ってめっちゃ心配したけど違うらしかった。

「どうしたん…?」

「あの…その…なんていうんだろう…」

言葉が見当たらなく、困っているようすやったから、いくつか質問させてもろた。

「この電車乗るのはじめてなん?」

はずれるんちゃうかなと思うほど首を縦に振ってる。

「電車、人たくさんおって怖かったな…?もう俺おるから大丈夫やで。」

「はい…ありがとうございます…」

頭を撫でるとさらふわやった…落ち着いてくれたやろか…

「そうや、名前なんていうん?」

「みょうじ…なまえ…」

「なまえちゃんやな。俺は忍足侑士や。」

「忍足先輩…?」

「下の名前がええなぁ…?」

誘導するみたいやけどそうよんでもらったほうが仲良さそうやん。

「ゆ、侑士先輩…」

「そうや。これからもそうよんでや?」

「はい…」

ふわっと微笑んだ。はじめてみた笑顔。めっちゃかわええ…

「笑ってるほうがかわええよ。」

そう言ったらほっぺが真っ赤になって余計かわええ。

「そういや、なんで今日は電車なん?」

「いつもは両親に送ってもらってるんですけど…今日から何日か送っていけないから電車で行きなさいって…」

「じゃあ明日もこの電車なん?」
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